もうすぐゴールデンウィークですが、
5月の清々しく晴れた空に太くゆったりと舞う鯉のぼりは
スッキリとしたデザインで背景の青空を力強く彩ります。
鯉のぼりの起源は中国となっており、
鯉が「龍門」という激流の連なる滝を登りきると
龍となるという中国の古い伝説になぞらえ、
男児の立身出世の祈って江戸時代から飾り始めたそうです。
そこを突破すれば出世につながる、
難しい関門のたとえである登龍門という言葉も、
この鯉が龍に変わる「龍門」が元になっています。
鯉のぼりの色にも意味があり、
黒・赤・青で構成されている鯉は
童謡にもあるように父・母・子の家族を表し、
黒は大黒柱、赤は生命、青は若さや成長を
象徴しているとも言われています。
一番上に掲げられる5色で構成された「吹き流し」も
古代中国の五行説が由来となっていて、
世界を構成する「木・火・土・金・水」を色で表し、
魔除けの効果があるとされています。
色鮮やかで心が浮き立つような華があり、
デザイン的にも余計なものがなく完成されている鯉のぼり。
なかなか都心では巡り会えませんが、
今年も空を見上げて探してみたいと思います。
I: 吉浦 萌々子